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2017年11月21日
「大阪のおばちゃんに、こよなく愛されている自転車用傘スタンド」とか「大阪の街中で自転車のハンドルに傘の柄を固定して疾走する光景は圧巻です」と言う言葉に誘導されて余りにも有名になってしまった“さすべえ”ですが、関東地区では馴染が薄く聴き慣れない商品名です。
でも使い勝手の良さが評判で全国的に徐々に普及し始めています。
雨の日でも傘を固定して片手走行の必要はなく、晴れの日は日傘を固定する、傘以外でもバックや円筒型のライト、カメラホルダー等も取付け可能で金具が固定できる丸棒かパイプがあれば、ベビーカーや車椅子などにも取付け出来ます。
今や自転車での外出時の必需品となっています。
この“さすべえ”誕生には感動的なドラマが潜んでいる事を知っていますか?
自転車の付属パーツとして“さすべえ”は誕生しました。
愛知県の株式会社ユナイトで製造されたアイデア商品で、社長の荒川和善氏によると「昭和53年頃に商品化され、大阪で爆発的に売れ、次いで名古屋、今や東京の下町にと、徐々に普及し始めています」と経緯と苦労話を語っておられます。
販売当初、自転車用の傘スタンドは余りにも奇抜でママチャリなどを日常の足とする女性には抵抗があったようです。
なのに何故か、大阪地区から売れ始めたそうですが理由は定かではありません。
“見た目より実利”と言う合理性・利便性に加えて関西と言う地域性が要因しているのではと推察します。
とはいえ“さすべえ”を使用しているのは中年からの年齢層が圧倒的に多く、若年層にはまだまだ見た目があり、格好を気にするが故にどちらかと言えば普及には時間が掛かるのではと思います。
“さすべえ”の始まりは、私のおばあちゃんの交通事故がきっかけでした。
おばあちゃんが普段足に使っていたのは自転車でした。
ある雨の日、出会いがしらに車とぶつかりそうになりました。
車との衝突は避けられたのですが、おばあちゃんは片手運転をしておりましたので、バランスを失い転倒してしまったそうです。
おばあちゃんは頭を強く打ちつけてしまいました。
そんなおばあちゃんの日常を大変心配し、私の父が傘の固定器具を作りました。
それが「さすべえ」のはじまりでした。
株式会社ユナイトの創業者(荒川社長の父)の母が自転車で走行中に転倒して怪我をされたことで、両手で安全に自転車を運転し走行する為と、自転車事故は二度とあってはならない、との創業者の母を想う並々ならぬ強い決意がアイデア商品誕生の切っ掛けで、実用化された事に感動しました。
ママチャリを含むシティ車や電動アシスト自転車、そして折り畳み自転車などに“さすべえ”は取付け可能ですが雨の日などには、ポンチョやレインコートと併用すると雨対策が効果的です。
但し、強風時は危険ですので使用しない事。
道路交通法(道交法)の安全運転の義務の項に“自転車で傘をさしての片手運転は違反です”と明記されています。
都道府県が独自に定める道路交通規則では若干異なる見解ですが法的には“さすべえ”の使用は可能です。
安全に使用するには取扱説明書にも明記されている通りに、傘立金具を指定通りに自転車に固定し、傘の柄を確実に取り付ける事、走行時は安全運転する事、これが基本です。
使用の賛否は、見た目ではなく便利さを選んだ人のみが知る!
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